芦ノ湖のルアーゲーム解禁~GWの傾向と対策 前編
VOL.4で予告した通り、今回からは芦ノ湖の釣りの傾向についてご紹介しましょう。内容は僕がこれまで通ってきたなかでの個人的な経験に基づいており、多分に独断と偏見が含まれます。勘違いしていることもあるかもしれないので、参考程度にとどめてもらえれば幸いです。
芦ノ湖はトラウトの湖として、また日本で初めてブラックバスを放流した湖として知られており、現在は3月1日の特別釣り大会を経て、3月2日から一般解禁、12月14日までの約9か月が釣り期となります。
※ただし3月1日~3月31日までは岸及び桟橋からのエサ釣りは禁止。ほかに禁漁区等の規則あり。詳しくは芦ノ湖漁協のHPでご確認ください。
芦ノ湖漁協
http://www.ashinoko.or.jp/
解禁直後~3月後半の傾向
解禁当初の水温はおおむね4~6℃前後。年によって若干の上下はありますが、水の中はまだまだ冬の延長という状態。野生化したトラウトやブラックバスが活発にエサを追い始めるのはもう少し先で、主なターゲットは放流したてのニジマスやブラウンになります。
この時期のマス類は動きも鈍く、放流された場所から大きくは移動しないため、湾内のシャローからカケアガリの沖くらいまでをスローに探るのがセオリー。ニジマスメインで考えるなら、9cm前後のミノープラグや5g前後のスプーンをゆっくりただ巻きするのが最も効果的。速いリトリーブやトリッキーなアクションは、ヒット率が極端に下がります。
フライフィッシングも中層からボトム狙いがセオリーで、タイプⅡ~タイプⅣのシンキングラインでマラブーニンフやストリーマーを引くと良く当たります。ルアーでは全く食わないときでもフライではアタリを出しやすく、うまく群れに当たると大漁となることも珍しくありません。
※遊漁規則により、持ち帰ることができるのは一人15尾までです。
ちなみにこの時期のバスゲームは難易度MAX。比較的実績が高いのは、テッパンバイブやラバージグといった一点攻略型のルアーでそれなりに水深のあるポイントを探る釣り。日並のいい日はシャローにもバスが見えるのですが、マス釣りのボートが入れ代わり立ち代わりアンカーを下し、仕掛けやルアーを投げ入れていることもあって、食わせることは容易ではありません。
そんなこんなで3月も中旬を過ぎると水温は少しずつ上昇、下旬には湖岸の浅瀬で8℃~10℃に達し、ワカサギの姿もちらほら見え始めます。このころからはブラウン狙いのグリグリメソッドも上向いてきて、13cmミノーにも活発なチェイスが出始めます。
4月~ゴールデンウィークまでの傾向
さらに水温が上がり、いよいよ10℃を超えてくるのは4月に入ってから。マス類は適水温を迎えて動きが活発になり、産卵に絡むワカサギがシャローに群れ、カゲロウなど昆虫類のハッチも出始めるため、自然のサイクルに則って生きている野生化個体がエサを求めて表層に上がってきます。
トラウト狙いならグリグリメソッドはもちろん、死んだワカサギを模した『ホットケ系』のミノーにもチェイスが多くなり、風の当たる岸の表層でビッグトラウトが釣れるようになってきます。この方法にはいわゆる放流マスはほとんどヒットせず、野生化した個体を選んで釣ることができる点も魅力です。
また、グリグリやホットケの釣果にバスが交ってくるのも4月の特徴。水温が安定して15℃以上になる中旬から下旬にかけては、一日の釣りでニジマス、ブラウン、バスの3魚種をゲットできるケースも増えてきます。
このような流れがピークになるのがゴールデンウィークの頃。マス類にもバスにも過ごしやすい水温となり、サクラマスの釣果も聞こえ始め、新緑とともにあらゆるゲームが本番を迎えます。
ブラックバスの姿もシャローのあちらこちらで確認でき、その多くは湖岸に打ち寄せられたワカサギを捕食しているため、前述のミノーゲームのほかシャッドプラグやI字系といった小型プラグでシャローを撃っていくのが効果的です。
もちろん、スピナーベイト、ジャークベイトで広くサーチしていくのも良いし、ラバージグで岸際のカバーを撃っていくのも良し。各自が得意なスタイルで、ビッグバスにチャレンジすることが可能です。
そしてゴールデンウィークが明けるとバスのスポーニングも始まり、ブルーギルも浅瀬に群れはじめ、ルアーゲームの主役はトラウトからバスへとバトンタッチ。50cmを優に超える魚が船宿のホームページを賑わせるようになるのです。
続く