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【STW Project Vol.4】 2ndステージ始動

STW Project 2ndステージ始動

STW それは勝つためのルアーを造るプロジェクト

STW Project 2ndステージ始動

STW(Support To Win)。それはバスフィッシングの本場・アメリカのトーナメントに勝つことを唯一最大の目的とした一大プロジェクト。アーロン・マーティンスをはじめとするトップ・アスリートとメガバスがひとつになって、プロフェッショナルが本当に必要とする、勝つための武器を具現化していく企画である。たとえて言うならF1ドライバーとメカニックが協力して、勝つためのマシンを作り上げる作業。「勝利」の2文字でしか評価されない真剣勝負である。

当然ながら、ビジネスという面で考えるとあまりにもリスキー。なにしろ、結果が出なければ、そのルアーが製品として店頭に並ぶことはないのだから。

プロジェクトの実現に際して、あるプロは「僕という一人のアングラーが望むルアーに膨大な労力を費やしても、メガバスとしてのメリットは少ないのでは?もっと多くの人が使いたいと望むルアーを作ったほうがいいのではないか」と心配してくれたという。
その提案に対し、STWプロジェクト・スタッフはこう答えた。
「気遣いは無用。なぜならこれはメガバスの挑戦でもあるのだから。私たちはあなたが勝つために最高のルアーを作る。だからあなたは遠慮なく要望を言ってほしい」。
厳しいチャレンジには違いないが、勝算はある。何よりそのルアーで勝つことが出来たら、ルアーメーカーとしてこの上ない達成感を得ることができる。これは世界最高峰の誇りを賭けたメガバスのワールドチャレンジなのだ。

既報の通り、前回のSTWプロジェクトは今年2月のバスマスタークラシックをもって最初のプロセスを終えた。満を持して持ち込んだクランクベイト・MSC01は期待通りの活躍をし、エドウィン・エバースが総合1位で予選を通過。アーロン・マーティンスもグッドサイズを次々にキャッチするなど、本戦に向けて好感触を得ていた。しかしクラシック直前の豪雨でコンディションが一変、チームメガバスは優勝にあと一歩と迫りながらも惜敗に甘んじたのであった。

7月、アメリカICASTへ。ファーストステージの教訓を胸に新たなチャレンジが始動!

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STW最初の挑戦では、勝つことはできなかった。しかし手応えは十分、少なくともルアーのパフォーマンスに間違いはなかった。しかしそれでも勝てなかったということは、何かが足りなかったに違いない。まだなにかできたはずだ、悔しい…。様々な思いが去来するなかでメガバスは雪辱を決意、セカンドステージという形で新たなスタートを切るため、再びアメリカへと向かった。

7月、次なるステップに向けて始動したSTWプロジェクト・スタッフは、フロリダで開催されたICASTに参加。全米のプロアングラーとメーカーが一堂に会するこのイベントで、STWセカンドステージのミーティングを行った。

※余談だが、ICASTとは、フロリダで開催されるディストリビューター向けの内覧会。一般ユーザー向けには別のショー(バスマスター)がある。どちらのイベントでもMEGABASSはメイドインジャパンのステータスもあって注目度が高く、一般ユーザーのみならずトッププロの多くがブースを訪れる。アーロン等のプロが活躍することで、その傾向はますます強くなる一方だ。訪問客の関心が高いのはクランクベイトやスピナーベイトといったファストムービングルアーをはじめとする新製品。なお、アメリカのトーナメント・シーンでは、ジャークベイト=ワンテンというイメージが定着しており、その評価は高い。

STWセカンドステージのプロジェクトに参加するメンバーは、アーロン・マーティンス、エドウィン・エバース、ルーク・クラウセン、ランディー・ブロウキャットの4名。セカンドステージではアーロン・マーティンスとメガバス、エドウィン・エバースとメガバスというように各メンバーとメガバスが個別にヒアリングを行い、個々のオンリーワンにより注力していく計画である。

スタイルもロジックも異なる4人のトッププロ。当然その要求はピンポイントをついた汎用性とは程遠いものになる。突き詰めて言えば、彼らが戦うフィールドの、このポイントでこんな時に使うルアー…というコアな話だ。STWプロジェクト・メンバーとのミーティングではスケッチを交えて想定するシチュエーションを互いに話し合い、要求をまとめていく。最終的には使うフックの種類やサイズまで詰めていく具体的な内容となった。以下にその概略をお伝えしよう。
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アーロン・マーティンスのリクエスト

アーロン・マーティンスは母親の代からメガバスのサポートを受け、その付き合いは10年以上にもなる。人気者であり、常に笑顔を絶やさない紳士だが、いざルアーの話になると眼の色がガラッと変わる。釣りに対しては真剣そのもの、怖いまでの本気度がひしひしと伝わってくる根っからのバスプロだ。常にルアーの研究を怠らず、素材を重視するのも彼の特徴である。

そんなアーロンのリクエストは、異なる2つのアイテム。どちらもルアーとしては珍しいものではないが、細部の設定は非常に緻密。大きさ、動きはもちろんのこと、使うフックやボディー、ワイヤーの素材まで、すべてにわたってアーロンのこだわりを感じずにはいられない。

なかでも特にこだわるのはスピード。その理由を、アーロンのフィッシングスタイルを熟知するSTWプロジェクト・メンバーが補足する。
「彼の釣りは、広範囲をスピーディーにチェックするスタイル。バスのコンディション云々ではなく、釣りの効率を優先しています。どれくらいかと言うと、エレキのスピードがマックスでもリトリーブが追い付いてくるくらいです。釣り場の違いもありますが、日本国内ではそこまで早い釣りを行う人は少数でしょう。ハイスピードで移動しながらルアーを打って、コンディションのいい魚を拾っていく。追ってきて食わない魚は基本的にパス。そういう釣りなんです」。
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エドウィン・エバースのリクエスト

エドウィン・エバースはメガバスのプロスタッフになって2年目の新鋭。しかしトーナメンターとしてのレベルは高く、今年2月のバスマスタークラシックでも3位に入賞するなど実力はトップクラスだ。

エドウィンのアイデアは、ある特殊な効果を狙ったもの。結果として同じ効果を持つルアーはないわけではないが、意識的にやっているメーカーはない。そこをメガバスに託す形だ。リクエストされた条件をすべて満たすのはなかなかハードな仕事だが、アイデアとしてかなり面白い。まずはどのような手法で効果を具現化するのかを、STWプロジェクト・スタッフが探っていく事になる。完成にはさらなる意思の疎通を図る必要があるだろう。
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ルーク・クラウセンのリクエスト

ルークは「博士」と呼ばれるほどルアーに詳しいトーナメンター。気になるルアーは片っ端から試してみる性格ゆえ、あらゆるルアーの構造や特性を理解している。それだけに細部へのこだわりが非常に強い。

そんなルークは一見オーソドックスとも思えるルアーをリクエスト。しかし、そのなかにルークの明確な主張が隠されている。ルークの場合は斬新なものより、かゆいところに手が届くルアーを、上手に利用することが得意。ここがもうちょっとこうだったらいいのに!という部分を突き詰めていく姿勢はいかにもルークらしいと言える。
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ランディー・ブロウキャットのリクエスト

最後はメガバスプロスタッフとして20年以上の実績を誇るベテラン、ランディー・ブロウキャット。1992年、メガバックストーナメントにおける最大魚をドッグXでキャッチし、MEGABASSの名を全米に轟かせたことはあまりにも有名である。
ランディーは長いプロスタッフ歴の中でお気に入りのルアーが固まっており、それらをチューニングするようなリクエストとなった。
ただ、STWプロジェクトとしてはこれだけでは物足りない。そこで何か新たなルアーのテーマがないかリサーチしたところ、これまでにない新しいルアー小型の明確なアイデアがある様子。STWスタッフはチューニングと並行して、その方向性でも実現の可能性を探る予定である。
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与えられたスパンは180日。リクエスト以上のルアーを造って勝つ!

ヒアリングを終えた時点で、完成までに与えられた猶予は6カ月。プロトタイプは国内で完成に近い状態まで仕上げ、各プロに渡すときには微調整を行う段階になっていることが理想である。次回はその経過を報告することになるだろう。

「メガバスがやる以上、外観はもちろん、動き、内部構造のシステムに至るまですべてのテクノロジーを注入して、リクエスト以上のものを作り上げる。彼らが上げてくる明確なコンセプトに、メガバスとしてのメッセージを付加して返します」と口を揃えるSTWプロジェクト・スタッフ。

その目的はただ一つ、「勝つこと」のみである。

高橋 大河

高橋 大河

【この記事を書いた人】
静岡県在住
釣り、バードウォッチングなどのアウトドアスポーツを好み、行く先々で現地の食や文化を楽しむ欲張り人間。趣味が高じて釣具店、釣り雑誌編集部に勤務したのち、現在はフリーのライターとして活動中。釣りの信条は「このルアーで釣りたい!」という気持ちを大事にすること。自分の釣りたい魚を探して、今日もフィールドを彷徨い続ける。

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