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【STW Project Vol.3】バスマスタークラシックを終えて

STW Project Vol.1:Support to Win Project 始動
「Support To Win=勝利をささえる」というスローガンを掲げ、勝つためのルアーの開発を目的とした、日本とアメリカを舞台に始まった壮大なプロジェクト。いよいよ本番を迎えたバスマスタークラシック。第三回はその試合の結果と、STWの今後について、実際に現地へと向かった開発スタッフの目線からお届けしようと思う。

ついに始まったバスマスタークラシック

STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて

バスマスタークラシックは全米で一番盛り上がる、バスフィッシングの世界最高峰の舞台と言ってもいいだろう。アメリカだけでなく、世界各国から選手が集まり競い合う。このトーナメントの出場者は、選手と呼ぶよりはアスリートだ。 そしてその夢の舞台に、大人も子供も熱狂し眼を輝かせる。まだまだ釣りがトップスポーツとして認知されていない日本では想像がつかないかもしれないが、紛れも無くこれが本場アメリカのバスフィッシングなのだ。

試合前、メガバスUSAプロチームたちは皆言葉少なげで少し重苦しい雰囲気。これまでの、時によっては笑顔も交えながらのトークや、ジョークを交えるような空気ではなかった。何が起こるかわからないのが勝負の世界。熾烈なトップ争いを展開するトーナメンターの彼らであっても、やはり緊張は隠せないようだ。

しかし今回、彼らのタックルボックスには、バスマスタークラシックに向けて万全のセッティングが施された「STWクランクベイト・MSC01」が準備されている。アーロンはじめ、エドウィン、クリス、全員がそのルアーのポテンシャルを信じている。

「僕らにとっては勝つことが全てだ。もちろん全力で勝ちにいく。そうでないとこのルアー達(STW)も日の目が見れないからね」

ようやく見せてくれた彼らの笑顔。そこには緊張や不安、そして自信などの言葉には表せない様な感情が入り交じっているようにも見えたと、現地に赴いたメガバス開発スタッフは語った。

いよいよトーナメントがスタートする。今年のクラシックの舞台であるレイクガンターズビルが何とも言えない雰囲気に包まれる。長い3日間の始まりだ。

「これがバスマスタークラシックなんだ。」開発スタッフも期待と緊張で胸が震えるようだった。

一筋縄ではいかないビッグゲーム

STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて
昨年AOY(アングラーオブザイヤー)を獲得し、多くのファンから注目を集めるなかクラシックに挑んだアーロン・マーティンス。しかし、今回の試合ではかなりの苦戦を強いられた。

「プラクティスの時、魚は確実にシャローに出たがっていた。だから僕は、試合本番でもMSC01で、その魚を狙うつもりだったんだ。」

アーロンが大会の状況を語ってくれた。

「だけど、プラクティス直後に降ったすごい大雨のせいで、試合本番のコンディションが一変してしまったんだ。急激に水温が低下したため、魚はレンジを下げてしまった。MSC01で狙うには、深すぎるレンジにね。」

想定外のコンディション変化により、急きょスタイルを変更。深場のレンジをバイブレーションの速巻きで探っていき、結果は総合15位となった。

エドウィン・エバースは、プラクティスではかなりの好感触を掴み、2日間の予選はなんと総合1位で通過した。

「僕もコンディションの急変には悩まされたよ。プラクティスでは、MSC01でシャローの魚を沢山キャッチ出来たのに、本番では魚がいなくなってしまったから。でもフラップスラップを持ってたおかげでなんとかフォローできたよ。」

だれもがこのまま彼が優勝するだろうと思っていたのだが、結果的には3位となった。

トーナメント優勝すら逃してしまったが、決勝での二人の活躍は、会場にいた誰もが興奮するパフォーマンスだった。

最終的に今年のバスマスタークラシックは、ランディー・ハウエルの劇的な逆転優勝で幕を閉じた。

試合を終えて

「勝負はいつも真剣だし、ベストを尽くしている。しかし、大会本番に何が起こるかわからない。」とアーロンが語った。当然試合とはそういうものだ。他のアングラーと競い合う以前に、まず相手にしているのは自然なのだから。
エドウィンも「勝つ事が出来ずにごめんね」と、まるで開発スタッフを励ます様に優しく答える。

自分達が手掛けたルアーで精一杯戦ってくれたUSAプロチームの結果に落胆する者は、誰一人としていなかった。
むしろ今度は、ここから一体何が出来るのだろうか?というポジティブな気持ちのほうが強かった、と開発スタッフが語ってくれた。

コンディションの急変により、STWプロジェクトルアー第1号となるクランクベイト・MSC01は、勝利を勝ち取る事は出来なかった。

しかし、プラクティスでは目を見張る結果を出し、エドウィンが予選1位になった時には、ルアーのパフォーマンスに確固たる自信を得た。
それと同じく、USAプロチームも、このルアーに対する信頼は100%に近い。

改めて、ここからどう進むのか?

「正直なところ、悔しいというのが一番の本音です。もっともっと、USAプロチームのニーズに的確にアジャストさせていきます。例えば、日本に比べて“強い”釣りが主体のアメリカでは、フックサイズの見直しだったり、多様されるPEラインに合わせたセッティングが必要だったりします。さらに、そこへ彼らが驚くようなメガバスのエッセンスを加えていきたいと思います。
彼らはメガバスと一緒に勝とうと本気で思ってくれています。メガバスだから勝てると信じてくれている。その期待に応えたいですね。」
STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて
STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて
STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて
STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて
STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて

終わらないSTWプロジェクト

今回の記事で登場したSTWプロジェクトのルアー「MSC01」は、現段階では商品化されない。たとえUSAプロチームが認めたルアーだとしても、STWプロジェクトの目的「勝つためのルアー」を果たさない限り、店頭に並ぶ事はない。

ここまで「勝つ事」にこだわるルアーメーカーは日本で、いや世界でもメガバスだけなのではないだろうか。

この挑戦はさらに続く。
試合後、日本の開発スタッフも含めたメガバスチームは、再度フィールドに繰り出し、お互いの意見を伝え合い、今後の勝利への意思を確認した。

試合の空気感のみならず、実際に釣りをしながら、自分達の感じたことを日本に持ち帰えろうとする開発スタッフ。今回のバスマスタークラシックで得た物は大きい。

帰国したスタッフは早速、アメリカで得たフィードバックを元に、ルアー制作に励んでいる。

日米のメガバスチームを巻き込んだSTWの挑戦は続く。
STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて
STW Project Vol.3:バスマスタークラシックを終えて

高橋 大河

高橋 大河

【この記事を書いた人】
静岡県在住
釣り、バードウォッチングなどのアウトドアスポーツを好み、行く先々で現地の食や文化を楽しむ欲張り人間。趣味が高じて釣具店、釣り雑誌編集部に勤務したのち、現在はフリーのライターとして活動中。釣りの信条は「このルアーで釣りたい!」という気持ちを大事にすること。自分の釣りたい魚を探して、今日もフィールドを彷徨い続ける。

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